前立腺癌は、PSA採血検査による早期発見と早期治療により、完全に治すことが可能なガンです。当院では、診断から治療まで、高度な医療を一貫して受けることができます。50歳以上の男性は、年一回はPSA採血検査を受けましょう。前立腺癌は、PSA採血検査による早期発見と早期治療により完全に治すことができます。
前立腺癌とPSAについて
PSA(Prostate specific antigen:前立腺特異抗原)とは、
- 精液中に多量に含まれる糖タンパク
- 分子量約34000、240個のアミノ酸と4本の糖鎖
- 前立腺上皮細胞で合成分泌
- カリクレインファミリーに属する
- セリンプロテアーゼ活性を有する
- 精漿凝固物質の液化に関係
- アンドロゲン(男性ホルモン)が合成を促進
- 前立腺癌のみならず、すべての前立腺上皮で発現
- 正常前立腺組織ではPSAは精液中に分泌
- 前立腺癌では血液中にPSAが漏出
PSAの値と前立腺癌の頻度
- 10ng/ml以上:30~50%
- 4.1~10ng/ml(グレイゾーン):20~30%→増加
- 2.0~4.0ng/ml(新たなグレイゾーン)20%!!!
前立腺癌の症状と診断
- 無症状
- 少し進行すると頻尿(前立腺肥大症と類似、α1ブロッカーで改善しずらい)、直腸診で診断可
- 50歳以上(40歳以上)PSAを測定!!!
- PSA2.0以上は二次検査
PSAの値を変化させ得る要因
- PSAを上昇させる要因:大きな前立腺肥大症、急性前立腺炎、慢性前立腺炎、尿閉、射精、長時間のサイクリング、前立腺生検、尿道操作、直腸診
- PSAを低下させる要因:前立腺肥大症に対する内分泌療法(酢酸クロルマジノン、アリルエストレノールなど)、男性型脱毛用剤(フィナステリドなど)
前立腺癌治療の王道
- 直腸診で正常、PSA高値→前立腺生検→根治的前立腺摘除術
こんな症状の方は早急に受診して下さい。
- 背中や腰が痛い⇒腎臓結石、尿管結石が疑われます。
- 尿に血が混じる⇒腎・尿管結石、尿道炎、膀胱炎、最も心配なのは悪性腫瘍
前立腺がん、腎臓がん、膀胱がん)の疑いもあり命にも関わります。 - 頻尿の勢いが弱い。⇒前立腺肥大症、神経因性膀胱といって神経の障害によっておこることもあります。また尿道の一部が狭くなっている場合もあります。
- 腎機能、性機能、おしっこの近い方、泌尿器疾患で少しでもご不安のある方、私が患者さまに1番伝えたいことは「早期発見・早期治療を皆様が心がけてくれることにより、1人でも多くの患者さまを救えるという事です。どんな小さな不安でも遠慮せず、まずは受診して下さい。」
尿失禁・尿もれの治療は?
「切迫性尿失禁」の場合は、脳血管障害などや、男性では前立腺肥大症、女性では膀胱炎が原因となることもあります。膀胱の収縮を抑える薬物療法などの治療法があります。
成人女性の20%が経験を持つ尿漏れ(尿失禁)。尿漏れは一般的な病気です。最近では若い女性の患者さまも増えております。
恥ずかしがらずに受診下さい。
よくある質問
- Q1 前立腺肥大症はどのような病気ですか?
- Q2 前立腺がんはどのような病気ですか?
- Q3 前立腺の病気を早期に発見するために、注意すべき症状はありますか?
- Q4 PSA検査とはどのような検査ですか?
- Q5 PSA値が上昇していた場合に行う検査にはどのようなものがありますか?
- Q6 前立腺がんにはどのような治療法がありますか?
- Q7 なぜ定期的なPSA検査が必要なのですか?
Q1 前立腺肥大症はどのような病気ですか?
前立腺肥大症は男性ホルモンの影響により前立腺が肥大する病気で、尿道が圧迫されるためにおしっこの出具合が悪くなります。50歳を過ぎてから、「夜間トイレに行く回数が増えた」、「おしっこを我慢できない」、「おしっこの出が悪い」、「残尿感がある」などの病状を感じてる人は、前立腺肥大症の疑いがありますので、医師に相談することがすすめられます。前立腺肥大症は、早い時期に適切な治療を受ければ、治療の悪化をおさえることができます。
Q2 前立腺がんはどのような病気ですか?
前立腺がんは、近年、日本において急激に増加している病気で、2020年には前立腺がんの患者数は約7万8千人、男性のがん患者の6.4人に1人が前立腺がんになると予想されています。前立腺がんの早期には自覚症状がほとんどなく、がんが進行してきてはじめて、「おしっこの出具合が悪い」、「腰が痛い」などの症状があらわれるようになります。前立腺がんは早期に発見できれば治る可能性が高いがんですので、特に前立腺がんになりやすい「50歳以上の男性」、「40歳代でも前立腺がんの家族歴がある場合」、また「最近おしっこの出具合が悪いなどを感じている男性」は、前立腺がんの検査をうけることがすすめられます。
Q3 前立腺の病気を早期に発見するために、注意すべき症状はありますか?
前立腺の病気の発見には専門医による診察と検査が必要ですが、おしっこの出具合の悪さの程度を判定する国際前立腺症状スコアを用いることで、ご自身前立腺を自己チェックすることができます。国際前立腺症状スコアが中等度以上であれば、医師に相談をすることがすすめられます。しかし、前立腺がんの早期には自覚症状がほとんどあらわれないため、特に症状がなくても、前立腺がんになりやすい「50歳以上の男性」や、「40歳代でも前立腺がんの家族歴がある男性」は、前立腺がんの検査を受けることがすすめられます。
Q4 PSA検査とはどのような検査ですか?
PSA(ピーエスエー)検査とは、前立腺に特異的なタンパク質であるPSAの量を測定する検査です。PSAは健康な人でも前立腺から血液中にすこしずつ溶け出していますが、前立腺がんが発生すると大量に血液中に流れ出すため、PSAの量を測定することで前立腺がんの可能性をみつけることができます。
Q5 PSA値が上昇していた場合に行う検査にはどのようなものがありますか?
PSA値が基準値より高い場合、さらに詳しい検査をして前立腺がんかどうかを調べる必要があります。詳しい検査には、肛門から指を入れて前立腺に硬いところがないかを調べる直腸診や、肛門から超音波で前立腺の形や大きさを調べる超音波検査、前立腺の細胞を採取してがん細胞の有無をみる前立腺生検があります。これらの検査は泌尿器科で受けられますので、PSA検査で前立腺がんの疑いがあった場合は担当医の指示に従い、必ず専門医のもとで検査を受けるようにしましょう。
Q6 前立腺がんにはどのような治療法がありますか?
前立腺がんの治療法には、手術で前立腺を取り除く前立腺全摘除術や、放射線でがん細胞を殺す放射線療法、また前立腺がんは男性ホルモンの影響で大きくなるため、薬によって男性ホルモンの量や働きをおさえる内分泌療法などがあります。特に、内分泌療法は他の治療法と組み合わせて行うなど、前立腺がんの治療で広く使用されています。これらの前立腺がんの治療法は、年齢やがんの進行度合い、ご本人の希望などを考えて一番良いものが選ばれますが、早期のがんであるほど治療法の選択肢hs多くなります。
Q7 なぜ定期的なPSA検査が必要なのですか?
前立腺がんではPSA値が除除に上昇していくため、PSA値の経時的な変化の観察は前立腺がんの早期の発見に役立ちます。そのため、PSA値が1ng/mL未満なら3~5年後、1ng/mL以上であれば毎年、PSA検査を受けることがすすめられます。前立腺がんは、自覚症状のない早期から治療を開始すれば治る可能性がとても高いがんですので、普段と変わらない健康な生活をしていくためにも、前立腺がんの早期発見に努めましょう。
THERMEX(サーメックス)
サーメックスによる高温度治療とは
- 尿道にカテーテルを入れて前立腺尿道まわりを温めて治療します。
- 体にメスを入れる必要はありません。
- 1回の治療時間は約20分です。
- 安全性の高い治療法です。
- 健康保険の適用となりました。